公共建築物の長寿命化の検討を義務付ける条例制定請求
<四條畷市公共建築物の長寿命化の検討を義務付ける条例(案)>
(目的)
第1条 この条例は、公共建築物の長期活用と環境保全のために、長寿命化改修が有効であることに鑑み、公共建築物の長寿命化改修を促進する市の責務を明らかにするとともに、長寿命化改修の適切な実施を促進し、もって、公共建築物を地域に根付く住民の資産として適切に管理運用することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、「長寿命化対象建築物」とは築後60年未満の鉄筋コンクリート造りの公共建築物をいう。
2.この条例において、「長寿命化改修」とは、建築物の更新のために、長寿命化対象建築物の構造躯体を築後80年程度活用することを目標として、機能の維持、改善及び向上を図る改修事業を言う。また、建築物の更新を目的として、1の建築物を解体撤去した後に用途・規模・構造が著しく異ならない新しい施設を建設する事を「改築」、1の建築物を用途廃止又は解体撤去し別の場所に用途・規模・構造が著しく異ならない新しい施設を建設する事を「移設」、建築物の機能をより少ない数の建築物に統合するために2以上の建築物を用途廃止又は解体撤去し新しい施設を建設する事を「統廃合」という。
3.この条例において、「公共建築物更新計画」とは、築後60年未満の長寿命化対象建築物の統廃合、移設、改築又は長寿命化改修により、対象を特定して公共建築物を更新しようとする計画で、費用総額の見積を伴うものをいう。
4.この条例において、「計画対象事業」とは、公共建築物更新計画を実施するための事業の内、長寿命化対象建築物の廃止、移設予定地での新築など、長寿命化対象建築物の長寿命化改修を検討する前に実施すれば長寿命化改修の検討を無意味ならしめる事業をいう。
(公共建築物の設置者の責務)
第3条 公共建築物の設置者(以下「設置者」という。)は、公共建築物の計画的な維持・保全・管理に努めると共に、長寿命化対象建築物の更新に当たっては長寿命化改修を原則としなければならない。
(長寿命化計画の策定)
第4条 設置者は、公共建築物の長寿命化を図る目安としての目標耐用年数及びこれを達成するための維持・保全・管理と更新に係る基準、その他必要事項を定めた長寿命化計画を策定するものとする。
(更新手続きの適用対象及び実施時期)
第5条 第6条から第10条の手続きは、公共建築物更新計画の策定過程から契約締結までの間に、その計画に含まれるすべての長寿命化対象建築物を対象に実施するものとする。ただし、小学校又は中学校の統廃合又は現在の校区を超える移設を含む計画について、四條畷市小中学校の廃止の是非にかかる校区住民投票が実施され、校区住民の過半数の反対がないことが確認された時は、その計画に含まれる統廃合又は現在の校区を超える移設の対象である長寿命化対象建築物には適用しない。
(評価書案の作成)
第6条 設置者は、公共建築物更新計画に定める全ての長寿命化対象建築物について、次の各号の区分に応じた内容を記載した長寿命化に係る評価書案(以下「評価書案」という。)を作成するものとする。
一、統廃合、移設を含まない公共建築物更新計画
(1)長寿命化改修を図る案とその事業費の見積額
(2)改築が望ましい特段の理由があるときは、改築を図る代替案とその事業費の見積額
(3)(1)の案と(2)の代替案の比較、採用する更新方法とこれを妥当とする理由
二、統廃合、移設を含む公共建築物更新計画
(1)長寿命化改修を図る代替案とその事業費の見積額
(2)統廃合、移設を含む公共建築物更新計画と(1)の代替案の比較、採用する更新方法とこれを妥当とする理由
(説明会の開催)
第7条 設置者は、評価書案を作成した旨、住民の意見書の提出先、意見書提出までの期間を告示しなければならない。
2.設置者は、告示の日から起算して1か月間、評価書案とその要約書を縦覧に供すると共に、その内容の周知を図るため、規則で定めるところにより、関係地域内において住民説明会を開催しなければない。
(評価審査会の意見)
第8条 設置者は、住民の意見書を評価審査会に送付すると共に、評価書案について評価審査会の意見を聞かなければならない。
(評価書の作成)
第9条 設置者は、前条の手続きの後、公共建築物更新計画又は評価書案に修正を加えたときは、第4条第1項の区分に応じ該当する号の内容を記載した長寿命化に係る評価書(以下「評価書」という。)を作成し、評価審査会の意見を聞かなければならない。
2.設置者が公共建築物更新計画又は評価書案を修正しないときは、評価書案をもって評価書とし、評価書案に対する評価審査会の意見を持って評価審査会の意見とする。
3.第1項の場合、設置者は、評価書を作成した旨を告示すると共に、告示の日から起算して1か月間、評価書とその要約書、評価審査会の意見を縦覧に供しなければならない。第2項の場合、設置者は、評価書案をもって評価書とする旨を告示すると共に、告示の日から起算して1か月間、評価書案とその要約書と共に、評価書案に対する評価審査会の意見を、それぞれ評価書とその要約書、評価書に対する評価審査会の意見として、縦覧に供しなければならない。
(議会の同意)
第10条 公共建築物更新計画が長寿命化対象建築物の統廃合又は移設を含む場合、設置者は、公共建築物更新計画について、評価書と評価審査会の意見を付して、議会の同意を求めなければならない。
2.前項の議会の同意がない場合、設置者は、計画対象事業を実施するための契約を締結してはならない。
(評価審査会の組織)
第11条 評価審査会の委員は、建築専門委員3名、公共施設の利用者代表6名をもって構成する。
2.建築専門委員の任期は3年とする。
3.委員は、設置者が市の職員以外から任命するものとする。ただし、公共建築物更新計画に係る事業に利害関係を有する者を、委員に任命してはならない。
(評価審査会の役割)
第12条 評価審査会は、設置者の諮問に応じ、次の事項について意見を述べるものとする。
一.長寿命化対象建築物の長寿命化改修を検討する上で調査すべき事項
二.長寿命化改修を図る案又は代替案とその事業費の見積額の適否、及び長寿命化を図る理由又は長寿命化が困難とする理由の妥当性
三.公共建築物の長寿命化を図る目安としての目標耐用年数、及び長寿命化を図るための維持・補修・管理に係る基準
四.その他、長寿命化の促進に有益な事項
2.評価審査会は、必要があると認める時は、長寿命化対象建築物の維持・補修・管理状況について報告を求め、自ら立入調査を実施することについて設置者の協力を求めることが出来るものとする。
(規則への委任)
第13条 この条例で定める外、この条例の実施に必要な事項は規則で定める。
附 則
(施行期日)
第1条 この条例は、公布の日から施行する。