住民訴訟での訴えの内容

1.うちらの学校をつぶすために税金を無駄に使うな

  新小学校等整備費は、長寿命化改修4.4校分

 

 新小整備費70.8億円に畷小・東小・南小の撤去費を加えた約79億円は、長寿命化改修する場合の1校当たり更新費18億円の4.4校分です。

 これだけあれば、長寿命化改修で南中・畷小・東小・南小の4校を改築同様の状態にできます。しかもこれらの学校の残存価値28億円が損なわれず、四條畷の子育てしやすい地域環境が守れます。

 

2.西中大改造と畷中の連携棟設置は南中学校をつぶす準備工事

  この費用の賠償命令で、統廃合は止まります

 

 市長は、南中廃止を準備する西中校舎の大改造、畷中の連携棟設置のための工事契約締結を9月議会冒頭で提案・議決。

 これは、教育を受ける権利を持つ住民を無視し、残存価値がある市の財産を正当な理由もなく破棄することを準備する、違法かつ無用の支出の差し止めを求めたのに対して、既成事実を作ろうとしたものです。

 当会は市長に、差し止めに代えてこの正当な手続きを経ない支出の賠償を請求。賠償が認められれば、市に損害を与えることなく、統廃合計画を4校の長寿命化計画に見直すことができ、大事な教育財産を失わずに済みます。

 

3.「まちづくり長期計画」という学校統廃合計画を策定したとして、学校統廃合の権限を持つ教育委員会に地域住民の意向尊重という任務を放棄させた市長

-校区住民に適正手続きの保障がない学校統廃合決定は無効- 

 

 教育委員会は、校区の学校で教育を受けさせるという保護者の義務、その学校で教育を受ける子どもの権利を尊重するために、市長から独立した権限が与えられています。学校は、その校区住民の意向も聞かずに、市民の多数決で廃止してよいものではないのです。

 ところが、市長は「まちづくり長期計画事業化検討調査」として、学校統廃合を前提とする学校環境整備計画原案を策定するよう電通等に依頼しました。

 この策定過程では、意見交換会なるものが行われましたが、いわば公共事業の説明会との位置づけで、学校で説明会を行わない、住民の意見を聞く場ではないというものでした。

 そして、市長は、電通等の報告書の提出を以て市の「まちづくり長期計画」を決定したとして、27年度にPFIで統廃合事業を行うと表明、まだ教育委員会が決めていない学校統廃合を実施するとして、学校施設整備事業発注支援業務委託費を予算に計上し、議会は可決しました。

国の補助を受けた「まちづくり長期計画事業化検討調査」が、住民に適正手続きを保障することなく学校を統廃合するための手段として使われたのです。違法目的の公金支出は認められません。

 そして、教育委員会の付属機関である学校適正配置審議会に対して「住民の意見は取り上げない」「計画の是非は論じない」ことを審議ルールとするよう介入し、審議会は、学校の適正配置の是非につて審議しなかったのに、事務局の言い分そのままに、計画を適正とする答申を作文、教育委員会は、答申に基づくとして計画を決定したのです。権限のない市長が学校統廃合を決め、教育委員会が住民に対して適正手続を保障する任務を放棄した、この学校統廃合計画は無効です。

 

4.PFIが許容されるには従来方式より安くできることが必要、ところが、設計施工一括発注にすれば従来方式より高くても良い?

 議会与党は首長言いなりに負担行為・予定価格引き上げを承認

 

 市は、地域経済研究所に、学校統廃合を内容とする教育環境整備事業のPFIでの発注支援業務を委託しましたが、この支援業務には統廃合事業を民間で実施した場合の費用や参入可能性調査費を含んでおらず、特定事業の選定は、他の自治体の改築の例だと8.7%安くなるとの事業化検討調査報告書をそのまま用いただけの全く根拠がないものでした。

これは、PFIで行う特定事業の選定に当たってはVFMの客観的な評価を行わねばならないとするPFI法に違反しています。

 また、市は、教育環境整備事業について定めた「新小学校等整備事業の実施方針」では、将来の値上がりリスクを市が負担するとしていましたが、このリスクは特定事業として選定する告示では触れられておらず、市議会は将来のリスク負担を議論することなく61.9億円の債務負担行為を承認しました。その後公表された契約約款では、1年後に建築物価が1%以上上昇すれば市が負担するとされていました。

 しかし、リーマンショックや東北大震災復興事業での技能労働者が不足していること、受注規模の大きさで利益を確保する方法は建築業界全体にとり好ましくないこと、改修の比重が高い統廃合では改築の例の様には安くならないことなどから、受注者が現れませんでした。

 これに対して、市は競争的対話なるものを行った後にPFIでの実施をあきらめました。

 ところが市は、計画に間に合わせるには一括発注が必要で一括発注の方が安いから設計施工分離発注は行わない、受注者が現れないのは東京オリンピックなどによる物価上昇のためで、事業の実施には10億円もの上乗せが必要としたうえで、「新小学校等整備事業」を中学校部分と小学校部分に分け、中学校部分について、「四條畷中学校・四條畷西中学校整備事業」(以下「中学校整備事業」)として設計施工一括発注するとしました。

 市は、平成32年までに学校統廃合を完成するという計画に間に合わせる必要があると説明しましたが、平成32年までに学校統廃合を完成するという計画では東京オリンピックとぶつかり物価上昇が見込まれることが小学校整備事業を切り離した理由ですから、何に間に合わせるのか意味が分かりません。

また、物価が上昇したとして、中学校整備事業につき、設計施工分離発注なら23億円、設計施工一括発注なら20.6億円の見積価格を、設計施工一括発注で27億円の予定価格としたのも、平成26年から28年の間建築物価の上昇が見られないので、理解できません。

 議会は、与党と野党に分かれて、多数決だけがまかり通っており、首長の与党が多数なら、何の審議もなされない場となるようです。

 

5.違法な特命随契による不当に高額な発注

 

「新小学校等整備事業」には、淺沼組等(淺沼組、藤井建設、浦辺設計)を含む6企業で構成される大和リースグループのみが参加表明をしました。

 ところが、大和リースグループは、参加表明をしながら提案をしないという態度をとりました。

 これに対して、市は再公募を前提に競争的対話を呼びかけました。再公募とは参加表明した企業から選考するものではなく、競争的対話とは参加表明した数社から選考する事を前提に対話するものですから、矛盾しています。そして、通常、受注可能性がきわめて低いのに対話に参加することなど、時間と金の浪費です。

 市は、大和リースグループとの対話後、対話打ち切りを大和リースグループに行いましたが、参加表明せることなく対話を申し出た東亜建設工業に対しては、対話参加資格なしとして対話打ち切り宣言をしませんでした。

 これは、参加表明した大和グループとのみ、契約を前提に契約内容を協議すること、つまり、特命随契の対象とすることが競争的対話の意味であったということです。

  そして、新小学校等整備事業から小学校整備事業と管理事業を除外した中学校整備事業を設計施工一括発注することとした上、その価格を大幅に引き上げました。

 この中学校整備事業の公舎の新築は1000㎡程度に過ぎませんが、市は、この事業への申し込み資格を新小学校整備事業と同じとし、経審評点1400点、共同事業体形成を要求しました。これにより、新小学校等整備事業で必要とされた5000㎡以上の校舎建設の実績がなくとも、1000㎡以上の校舎の実績がある中堅位以下のゼネコンの新たな参入を排除し、単体の東亜建設工業を排除すると共に、設計施工一括発注の根拠を計画に間に合わせるためとすることで既に詳細設計をしていることを暗に求め、競争を排除しました。

この結果、淺沼組等のみがこの事業に参加し、99.6%の落札率で契約が成立したのです。

この経過は、公募プロポーザル形式をとっているものの、市が淺沼組等を契約相手と定め、交渉で価格を決めたことを物語っています。しかし、競争を排除する特命随契は、「特別な技術設備が不可欠な場合」でなければ違法です。