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住民が主人公の街づくりに不可欠な、科学的真実と住民運動

・・政治家にお任せでなく、次世代に引き継げる街を自分たちで!・・

 私たちは、自然を活用することなしには生きられないけれど、その自然は無限に利用できるものでも、人間の意のままに支配できるものでもありません。

 そこで、開発には社会の持続可能性という条件が、自然を介した災害への対処には設備の設置と人間行動の規制の組み合わせが、自然と共生してゆくために求められます。

 開発の条件としての社会の持続可能性は、「環境と発展(開発)に関する世界委員会」(通称ブルントラント委員会)による1987年の報告書で「将来の世代のニーズを充足する能力を損なうことなしに、今日の世代のニーズを満たしうるような発展」と定式化され、2015年の国連総会で、持続可能な開発目標(SDGs)として、2030年までの行動指針が定められました。

 しかし、社会の持続可能性という条件による規制は、その活動で利益を得ている勢力によって抵抗を受けます。このことは、公害規制、化石燃料の使用制限、原発廃止が、産業界の抵抗で容易に進まないことで示されています。そして、この抵抗を跳ね返すのは、科学的真実と命を守る住民運動以外にはありません。

 

 一方、自然災害への対処のための、設備の設置と人間行動の制御と救助活動の組み合わせは政治の責任で決められます。

 しかし、不確かな要素が多いため、政治家のご都合主義による情報操作の対象となりやすいといえます。

 南中廃止の経緯を見ると、市は、活断層近くは危険とし、土石流警戒区域であっても砂防ダムが存在することを無視する市長の政治判断に従い、南中廃止を決定しました。しかしこの際に、市が事前に意見聴取していた専門家の「断層があっても校舎との間に一定の距離があり、校舎の存続に支障はない」との意見が公表されることはなく、砂防ダムの効果で流下土石量がゼロとされていることも説明されませんでした。

 これでは、東市長は、南中校区の住民に犠牲を求める道具として災害危険を使うため、情報操作を行ったと言われてもしかたがありません。

 こうしたことを許さずに、住民が主人公の街づくりをするには、科学的真実を市民が共有する場と、どのような街として次世代に引き継ぎたいかを発信する住民運動が必要です。

防災対策についての市長への意見書と、市の責任者とは信じがたい東市長名の回答

<意見1>

平成29年度版四條畷市地域防災計画の41頁の記載は、「液状化発生土の高い地域は・・最西部(国道170号以西)」だが、平成29年12月更新の大阪府のハザードマップでは、国道170号以東、JRから西の間である。これに従えば、岡部小、西中、南小は、液状化の危険が極めて高く大震災時に避難所として機能しない可能性がある。

防災計画の見直しと避難場所の液状化対策、対策実施までの間震災時の避難場所の表示削除を!

<回答1>

液状化危険地域の記載につき、「国道170号以西」を「国道170号以東、JRから西」に改めるかは、改定時に検討する。

液状化対策を実施するかは、国や大阪府の動向を見て決める。

指定避難場所の変更はしない。避難所として開設するか否かは、発災後に安全性を確かめて開設する。

<あきれた1>

四条畷市は、液状化につき大阪府以上の情報を持っているのだろうか。国や大阪府から命じられなければ液状化対策はしないのだろうか。避難所を震災時に使えなくても、市の知ったことではないというのだろうか?

<意見書2>

活断層調査結果を踏まえ、公共建物について、活断層から最低限離す間隔の基準の設定を!

<回答2>

国や大阪府から何らかの基準が示されれば検討する。

<あきれた2>

南中に活断層があることは分かっている。調査に公金を使うのは、校舎と活断層の間に安全を確保できる距離があるか否かを判断するためではなかったのか。そうでないなら、調査は、生徒を畷中に移すための口実作りで、税金の不当支出だ!

<意見3>

国の基準では、大雨の際の浸水想定区域は、避難場所に不適切、「くすのき小」は大雨時の避難場所から外すべきでは?

<回答3>

開設要員を指定しており指定解除はしない。浸水想定は10~50㎝なので、2階、3階部分の活用を含め柔軟に対応する。

<あきれた3>

わざわざ、浸水地域に向かうよう指示するのですか? そのための開設要員ですか? 

<意見書4>

防災計画に、土砂災害警戒区域に砂防堰堤が整備されている場合、要配慮者利用施設(学校、福祉施設、医療機関)及び避難場所を設置できることを明示すべき!この記載がないので誤解と混乱が生まれている。

 また、三机神社横の砂防堰堤は、管理されておらず、砂防効果はゼロと評価されている。堆積土砂を取り除いて、東小にかかるイエローゾーンの土石流の流下を防ぐよう大阪府に要請を!

<回答4>

砂防堰堤があっても、安全という表記は行わない。

大阪府は、現在の砂防堰堤は非管理型で、土砂を除かなくても、砂防効果があるといっている。

<あきれた4>

表記しないのは、避難場所は設置できても、南中は設置できないというためですか?

大阪府は三机神社横の砂防堰堤を管理しておらず、砂防効果は不明でゼロと評価しており、これが、東小が権現川右4の渓流の土砂災害警戒区域内とされる根拠となっている。市の言う、砂防堰堤を管理していなくても砂防効果があるという府の説明は、明らかに矛盾している。

市の回答は、この矛盾に目をつぶり、元国立防災研究所長の水山氏の見解や、六甲山系で国と兵庫県が砂防堰堤管理事業として土砂除去作業を行っていることも無視して、大阪府の言い訳を鵜呑みにするもの。四條畷市役所は大阪府の出先なの?

平成30年11月26日

四條畷市議会議長  渡辺裕 様

請願者 住所 〒575-0013 四條畷市田原台4丁目18-11

電話番号 0743-72-3157

団体名 無駄使いをやめ地域を大切にする条例制定運動

   代表 四條畷市田原台4丁目18-11

横溝 幸徳

代表 四條畷市南野2-9-60

 早田 有為子

 

南中と東小の廃止条例を制定しないことを求める請願書

 

請願の趣旨

 市は、南中と東小の廃止以外の結論をとることを許さないような財源不足と、自然災害の危険があるとして、地域コミュニティ存続に学校が不可欠との地域住民の声を取り上げる余地をなくしました。しかし、この南中と東小の廃止根拠とされる財源不足と自然災害の危険の主張は、これを成り立たなくする重要な事実を隠したもので、行政としてあるまじき不当なものです。このことを踏まえ、南中と東小の廃止条例を制定しないことを求めます。

 

請願理由

 一般に、小規模校の良さもあること、学校廃止は地域コミュニティの存続にとって望ましくないことも多いことから、学校統廃合は強行すべきでないとされています。そして、東市長は「若者に選ばれる町にする」と公約したのですから、公共施設の再編もこれを阻害しないことが大前提のはずです。中学校区単位で地域に学校を残す要請に応える側面がある小中一貫校を滝木間、塚米、楠公地域の住民が要望したのも、この公約への期待の表れです。

 ところが、教育委員会は南中・東小廃止案を採用して審議会に諮問しました。その理由を

①南中と東小のいずれも土砂災害警戒区域の中にある

②南中の体育館下に活断層がある

③小規模校を維持する予算は1校しかとれない。従って小規模校3校中南小のみを存続させることにした

④地域コミュニティ活性化については、市長に、南中の校舎も活用して、防災拠点ともなる必要な施設を作ることを要請する

と説明しています。

 ①と②は、自然災害の危険があるから南中・東小を廃止する、世代を承継して存続したいとの地域コミュニティの願いは聞けないというものです。

 しかし、防災拠点にできるなら南中として存続できるはずです。

 そこで、163号以南JR以東は、学校を設置できないほど危険地帯なのかについて審議会で適切な審議がなされたのかが問題となります。

 教育委員会は、審議会に対して①②を指摘したものの、土石流を防止する砂防堰堤がすでに設置されていることを説明せず、活断層による被害を防ぐためには建築物を活断層からどの程度離せばよいのか、という審議委員の質問にも答えませんでした。 

 つまり、教育委員会が、防災対策を示すことなく自然災害の危険を前提とするよう求めたため、防災に責任を負えない審議委員は、これを前提とせざるを得なかったのです。このことは、第2回審議会での、審議委員の「活断層があって、土砂災害警戒区域にあるので、これはできません、と決められたことに基づいたことしかできないのか」との発言に表れています。

 では、南中と東小を廃止し、小規模校を一つにしないと財政的に厳しくなるとの③説明の当否は審議されたでしょうか?

 教育委員会は、学校統廃合に伴う人口減がそれ以上の収入減を招いて財政状況が悪化する可能性に触れませんでした。教育委員会が、人口は財政に影響しないとの前提に立つ以上、財政に責任を負えない審議委員は、人口の減少による財政の悪化は考慮しないことを前提とせざるを得ません。

 こうして、審議は教育委員会の提案理由である①②③を前提として行われました。これでは、審議委員は、南中と東小の存続を願う住民の意向を考慮することなく、南中と東小の廃止を認めるほかありません。

 しかし、次に述べる「請願理由の根拠となる事実」で指摘するように、①②③は、いずれも学校廃止の根拠とはなりえないものです。

 それでも、市は、南中と東小の廃止条例を制定し、この条例を執行するための事業費を支出できるのでしょうか?

 影響を受ける地域住民の意向を考慮できないとした前提に重大かつ明白な誤りがある以上、地域住民の意向を考慮しない南中と東小の廃止は、地方自治法第10条第2項の「・・住民は、その属する普通地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利を有する・・」に反し、不当に当該地域住民の権利を侵害するものとして違法で、支出の根拠となりえないと言わざるを得ません。

 それだけでなく、この学校再編整備計画は、子どものことを無視して、南中と東小の廃止を急いでいるといわざるを得ないものです。

 南中体育館下の活断層が確認され、畷小の体育館下に活断層が存在する可能性が極めて高くなったのに、何故、体育館の移築を検討しないのでしょうか。何故、畷小の改修工事後に東小の子を移転させずに、東小を廃止してその児童を畷小に移転してから改修工事をするのでしょうか。これでは、プレハブ校舎を作る必要も出てきて、子どもたちにも負担です。何故、南小を将来小中一貫校にするといいながら、南中校区から南中をなくすのでしょうか。

 自然災害への恐怖を政治的道具化して学校を廃止し、これによる子どもたちの負担も気にかけないような学校再編整備計画は、認めるべきではありません。

 

請願理由の根拠となる事実・・①②③の説明の重大かつ明白な誤り

一、自然災害の危険を学校統廃合の理由にすることの不条理について

 

1.防災対策抜きの自然災害危険論を学校廃止の根拠とする不条理(資料1砂防ダム)。

 南中を土石流警戒区域としているのは権現川本川の土石流ですが、権現川本川は砂防堰堤が整備され、土石流の流下量はゼロとされています。

平成27年4月の土砂災害警戒避難ガイドラインは、土砂災害警戒区域における「避難場所を保全する土砂災害対策施設の整備は、重点的に取り組むべき課題」とし、土砂災害対策施設整備として砂防堰堤をあげています。また、平成29年8月10日改訂の土砂災害防止対策基本指針(国交省)は「特に、土砂災害防止施設等が整備され・・るなど、土砂災害特別警戒区域の全部又は一部について指定の事由がなくなったと認められる場合には、当該特別警戒区域の全部又は一部について速やかに指定を解除することが望ましい。」としています。市は大阪府に指定解除をこそ要請すべきです。

ところが、総合教育会議では、このガイドラインが紹介されなかったうえ、基本指針に反して指定が解除されることはないとの説明がなされ、市長は、南中の校庭に土砂災害警戒区域がかかっているので小学校としては使えても中学校としては使えないとの見解を表明して、南中は廃止しかないとしたのです。

体育館下の活断層については、その場所を確定できたので、求められるのは地層のずれで建物が倒壊しないよう建築制限区間を決め、調査のための休校を解除することでした。ところが、教育委員会は休校した平成30年度に地域の意向に反して南中を廃校の対象にし、市長は、活断層から離すべき距離を定めようともしませんでした。

東小はプールに(権現川右4の)土石流警戒区域がかかっていますが、大阪府が設置した砂防ダムの土砂を420㎥取り除けば、土石流の流下量をゼロにでき、対策に膨大な費用が掛かるというわけではありません。従って、市がすべきことは、砂防ダムの管理問題を解決することです。

ところが市には、適切な防災対策を取ることで、安全を確保するという姿勢がなく、自然災害の危険は、人々の恐怖心を掻き立て、住めなくするために、取り上げられています。

 

2.南中・東小にだけ100%の安全を要求する不条理(資料2、活断層、液状化)

南中の体育館下の表層部に活断層が確認されたので、国土地理院の地図では途切れている畷小の体育館下に活断層が伏在する可能性が極めて高くなりました。生駒活断層が動くときは羽曳野から交野までが一体として動くとされており、この伏在する活断層も動く可能性は極めて高いと思われます。

従って、畷小の体育館を改修するのであれば、体育館の移築も検討すべきです。

ところが、市長も教育委員会も、シルバー人材センターの下(その北は体育館)を地形から見た活断層の推定位置と認めながら、体育館の移築を検討している気配がありません。

南中・東小廃止理由を100%安全でないためとしながら、畷小について何故、安全を確保しようとしないのでしょう。液状化の危険性があるとされている岡部小、南小、西中の校舎下の土壌改良についても、何故対策が示されないのでしょう。

これでは、100%の安全性という基準は、南中と東小を廃止するための口実でしかないといわざるを得ません。

 

二.財政上、小規模校は1つしか維持できないとして、南中・東小の廃止を迫る不条理(資料3、人口の社会移動、財政)

教育委員会は、小規模校を廃止し集約化する理由を、維持する費用を1校分しか用意できないためだと説明しました。また、市長は、人口減少と高齢化で、今後地方税収が減るので公共施設の集約化が必要としています。

しかし、学校の統廃合は若年層の減少を招く可能性が高く、人口減は地方交付税の減少で一般財源を減らすので、学校の統廃合は縮小の悪循環を生み出す可能性があります。

実際、市の転出人口が転入人口を上回るようになったのは、北出小が西小に統合された平成18年度以降です。また、土井市政時代には「まちづくり長期計画」による学校統廃合の方針が、四條畷を子育てに選ばれない町にしたため、この世代の人口を減らし出生率も引き下げました。

一方、財政はというと、平成24年から28年の4年間に、地方税収は徴税率アップで3億2300万円増えたものの、地方交付税は人口減少に応じて4億1700万円減少し、地方税と地方交付税の合計額はで9400万円減少しました。これは、西中と東小の減価償却費・改修費を含む維持費(8900万円)を上回ります。

地方分権改革で、地方交付税算定の基準となる基準財政需要額が主として人口を測定単位とするように改正され、人口の増減が、地方税と地方交付税の合計を左右するようになったことで、人口減少が、財政の悪化を招き、さらなる集約化を検討する必要まで生じていたのです。 

幸いなことに、四條畷市の人口減少は、「若者に選ばれる町」を公約に掲げた東市長の2年目である平成30年に入り止まりました。これは、若者に選ばれる町になることで縮小悪循環を食い止められることを示しました。

ところが、教育委員会は、子育て世代が住むのにふさわしくない危険な地域だとして、163号線以南JR以東から学校をなくそうとしています。これは、単に、学校が遠くなってこの地域の魅力が薄れるにとどまらず、危険な地域だとして子育て世代をこの地域から追い出すようなものです。これが、「若者に選ばれる町」という公約に期待を寄せた市民を失望させるとともに、廃止した学校に要した維持費以上に一般財源を大幅に減少させることは疑う余地がありません。

若者に選ばれない町にすれば、まちの活性化も、財政のゆとりも生まれてこないのです。

 

三.子どもたちに余計な負担をかけてまで東小廃止を急ぐ不条理

市は、平成32年に東小の子どもを畷小に移転させた上で改修工事を行うとしています。東小の生徒を受けいれると740名となり、工事期間中はプレハブ校舎も必要と考えられます。

改修工事後に移転すればプレハブ校舎は不要なのに、子どもたちにもよけいな負担をかけてまで、廃校時期を平成31年度末にする理由は何でしょうか。不可解としか言いようがありません。

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