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  • 畷 太郎

    法治主義を放棄する不当判決に対して控訴

更新日:2020年3月14日

 地方裁判所は、(1)校区の決定は処分の基準たる命令や自治体の規則ではなく、住民の意見を十分尊重するよう求めた行政手続法の適用はない、また、教育委員会事務局の決定が教育委員会の決定に優先するとの、驚くべき解釈を行いました。

 その結果、(ア)市議会が、条例で、規模と配置の観点から学校統廃合の是非を審議する住民参加の学校適正配置審議会を置いても、一般的な公共施設の統廃合と同様、誰からどのようにして意見を聞くかは市長の裁量である。(イ)教育委員会が、学校統廃合の決定には審議会答申を必要とするとして合議決裁を拒否しても、市長が学校統廃合を短期計画とするまちづくり長期計画を教育委員会事務局と協議して作成した以上、市長が単独でこの計画を決定しても教育委員会の権限を行使したことにならない。として、学校統廃合決定を適法として原告の訴えを退けました。

 また、(2)設計施工一括発注をする場合に、民間が一元的に実施することによるVFMの評価は、市が直接実施する場合の価格が類似例に即しているかとは無関係、従って予定価格が適切か否かとは無関係である。また、PFIで契約が成立しなかった場合に、設計施工分離発注によらず、DB方式だとしてPFI法が求めるVFMの評価なしで設計施工一括発注の予定価格を定めるのも自由である。自治体は自由に随意契約を選択できるので、品確法第18条が定める「当該公共工事の性格等により当該工事の仕様の確定が困難である場合」でなくても、選定した者との交渉の結果を踏まえ、設計書なしで予定価格を定めることができるとしました。これは、品確法の制定、総合評価一般競争入札の普及による行政の透明性・競争性の確保という時代の進歩をすべて否定したものです。

 その結果(ア)設計金額を市場価格とかけ離れて積もり、設計施工一括発注に10%削減のVFMがあることを与件として、あえて参加者のない低い予定価格を決めても、客観的なVFMの評価の実施で契約違反ではない。(エ)PFI法によらなくてもDBとして設計施工一括発注できるし、自治体は競争に適さないと判断すれば随意契約ができるから、設計書なしで受注業者の言いなりに予定価格を設定するのも自由である。として、官民の談合により市民に損害を与えたとの訴えを退けました。

 そして、この見解で説明不能な事実は、被告の自白も含めてすべて無視しました。

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